Project 02
ビッグデータの活用で、信用金庫に新たな価値を提供する
Project Member
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しんきんイノベーションハブ 調査役
2012年入庫/商学部卒業
プロジェクトの発起人。2020年4月の立ち上げから現在まで、中心人物としてプロジェクトを推進中。
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しんきんイノベーションハブ 審議役
2004年入庫/法学部卒業
プロジェクトが本格化するタイミングでプロジェクトリーダーとして加わり、全体の統括を担当。
Project Story 01
ビッグデータの活用で、信用金庫に新たな価値を提供する
しんきんイノベーションハブでは、信用金庫の営業活動を支援する目的から、全国の信用金庫が保持するデータをお預かりし利活用するためのデータベース基盤の構築を進めている。当時、総合企画部の事業戦略グループに在籍していた時に、ビッグデータの活用に着手することが決まり、2020年4月にプロジェクトとして発足した。
信用金庫業界は、個人および法人顧客に関する膨大なデータを有しているが、現状は各データが別々に存在している状態である。そこで、信金中央金庫がそのデータを集約して分析することで、業界一体となって、信用金庫と顧客に対してより良い金融サービスを提供することが大きな目的だ。
Interview 01
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信用金庫が単体でデータ分析を行うのは、システム構築のコストやデータサイエンスのノウハウや人材不足、データ量の限界もあり、なかなか難しいのが現実。そこで、信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫がデータを集約することで、業界全体に大きな価値を提供したいというのが、発案当初から変わらぬ目的です。
そのアウトプットの一つが、EBMと呼ばれるマーケティング手法。平たく言うと、過去に成約に至ったお客様の特徴をAIなどで捉え、そこからお客様のニーズを導き出し、こういったご提案をすると良いですよと信用金庫の現場に伝えるといったことです。これについてはすでに信用金庫との協力で現場での実証実験を行っており、申込数の増加や顧客層の広がりといった成果が出ています。
※EBM(イベントベースドマーケティング):成約事例の特徴を統計してモデル化し、最適な提案に繋げる手法。
Project Story 02
業界が“一枚岩"となり、大きな目標に向かうために
プロジェクトのフェーズとしては、大きく、「1.単独の信用金庫データを活用した実証実験」→「2.複数の信用金庫との研究会」→「3.全国展開できるシステム基盤の構築」という3つがあり、第1フェーズの実証実験を終えた2020年12月に統括リーダーとしてチームに加わった。
信用金庫業界にとって初めての試みであり、かつ重要なデータを扱う事業となると、関連団体の協力は不可欠である。これまで以上に業界が“一枚岩"となり、連携していくための調整は、プロジェクトの成否に関わる重要なミッションだった。
Interview 02
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全国の信用金庫はもちろん、様々な関連団体など、事業を進めるにあたっての関係者は非常に多く、調整は簡単ではありませんでした。データを有効活用するという大きな方向性や意義については皆さんと共有していても、セキュリティーの考え方など、細部では意見が異なる部分も多かったからです。
そんな中で私が大切にしたのは、皆が納得できる形でプロジェクトを進めること。それぞれの立場での意見があることを理解し、迷ったときは、「信用金庫のためになっているか?新たな価値を生み出すことができるか?」という原点に立ち戻って考えました。大きな目標に向かって、多くの異なる意見をまとめていく過程は、プロジェクトの推進においてはもちろん、私自身のキャリアとしても貴重な経験になったと思っています。
Project Story 03
地域の未来を見据え、持続可能な価値を生み出したい
現在、プロジェクトチームは、最終フェーズである全国展開のためのシステム基盤作りを社外のベンダーとともに推進中。あわせて、契約書の整備や法対応、全国の信用金庫への説明会の実施など、業務は多岐にわたる。
彼らは、日々、様々な意思決定を行いながら二人三脚でプロジェクトを推進しているが、その先に見据えているのは、システム基盤の完成だけではない。集約したデータをどのように信用金庫の支援に活かすか、さらには、地域にとっての新たな価値を生み出していくか。そこに本プロジェクトがめざす本当のゴールがある。
Interview 03
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前例のないことを始めるわけですから、日々、判断すべきことが多くあります。非常に規模の大きなプロジェクトですが、意思決定はかなり現場に任されていますね。それは、少数精鋭の組織である信金中央金庫ならでは。自分たちで決めて、自分たちで作る。そこに、難しさと面白さの両方があると思います。
今後、基盤が完成してデータが集まれば、EBM以外でもできることが多くあります。そのために、常に先を見据え、可能な限りスピーディーに実行できる体制をつくっていきます。
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プロジェクトの大きな目的は、データを活用して信用金庫に新たなサービスを提供すること。しかし、それだけにとどまらず、ゆくゆくは金融以外のサービスを地域に対して提供する、新たなビジネスを生み出すことも視野に入れています。
それは、信用金庫の基盤となる地域の多くが人口減少や少子高齢化の問題を抱えているから。データを活用して、従来の金融ビジネスの枠を超えて、地域にとって持続可能なビジネスや新たな価値を提供したい。その信念は、ずっと持ち続けていこうと思います。
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信金中央金庫の良さは、一人ひとりの裁量が広いこと。かなりの規模のプロジェクトでも少人数で動かすので、何をどう進めるか、多くの部分において自分で意思決定ができるので、やりがいがあると思います。意見をぶつけ合うというより、お互いが自然に聞いて意見を返すという関係性もあるので、その中でぜひ活躍していただきたいです。
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一緒に働きたいなと思うのは、周りの意見にYESだけ返すのではなく、「こうあるべきだと思う!」と言える人。そして、目先のことだけなく、地域の未来を考えられる人です。意見を出し合って方向修正しながら、より良い方向に向かっていく、そういう姿勢で一緒に仕事がしたいですね。
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